参戦!


さて。
行ってまいりました『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006』!
前日4日のお仕事がものすごく忙しくて、なんとか終わらせたものの、同じ部署
の子たちに「あしたこの人くるので対応コレでお願いします」「○○さんから連
絡入ると思うので、この回答で」等大量のメモを残したあげく、「何かあったら
電話下さい」と言い残しての退社(そして「かけても出ないでしょー」等と言わ
れてみたり)。当然準備等出来ておらず、今更ながらHPやmixiのコミュニティの
チェック。何せ初参戦ですから、あれもこれも持っていった方がいい気はしても
荷物が多いための弊害も出てくるだろうし、クロークが十分な数あるかも分から
ないし・・・・結局行ってみなけりゃ分からないってことで、荷造りをして就寝。


当日は4時半起きで茨城県勝田駅へ。スーパーひたち3号に乗って8:18到着。
勝田から会場まではシャトルバスが出てるのですが、思ったほど混んでいなく
て、道もそれほどは混んでいなくて、9時前には会場着。
どのフェスもそうかどうかは定かではないですが、苗場のフジロックと同様、
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006も会場内での参加者確認はリストバンドで行い
ます。チケットをリストバンドと引き換えて、開催中はそれをずっとつけてる
わけです。この引き換えの列が結構長くて、無事に入場できるのかなぁと不安
がよぎったのですが、そこは7年という年数を重ねているだけあって、一度動き
だすと人の流れはスムースでした。これは参加中も感じたのだけど、会場内に
40000人以上の人がいるわけですよ。それなのに、本来人が多いことによって感
じるはずのストレスをほとんど感じずにすんだのです。これは本当にすごいこ
とだと思います。洗練されてるなぁと思いました。


ここで会場内のことをちょっと。このフェスは4つのステージとDJブースが1つ
あります。
一度に4万人以上がライヴを観ることができ、国内の野外ロック・フェスティバル最
大規模のGRASS STAGE。草原に出現した舞台は圧巻でした。
湖のほとりのLAKE STAGE。円形のスタンディングエリアと、それを取り囲む階段状
の芝生スタンドで、最大時で約1万人収容可能だとか。
わたしはこの2つでしか観なかったのですが、この他にSOUND OF FORESUTOと
WING TENTというのがあって、3000人とか4000人収容可能とのコトでした。
とにかく国営ひたち海浜公園というところは広くて(まぁあまり狭いところだと音
が混ざっちゃうから仕方ないのだけど)GRASS STAGEからLAKE STAGEまでは徒歩で
約15分。ただでさえ過酷なのに、ほんとに消耗戦でしたよ。
以下、聴いてきたアーティストさんと感想など。

早く入場出来たため、テントの下で座りながら開演を待つ。
見上げれば夏の空を絵に描いたような青で、気温なんか考えるだけで恐ろしかっ
たですが、日影に座っている分には中々快適で、また海からいい風が吹いてくる
んですよ。スタンディングゾーンは路面温度何度よ?!って状態だったと思うけ
ど、初めての長丁場にそなえて、まずは体力温存。予定時刻の10時半、主催者の
挨拶と注意事項の確認の後、アクト開始。
それにしてもフロントエリアの若い子たちの元気なこと!
お姉さんは傍観するしかありませんでした(笑)。
生で聴くのは初めてのフジファブリック(というか、今回はすべて初めての人た
ちばかり)、歌も演奏もきちんと上手であー、ライヴバンドなんだなと感じる。
フロントの志村くんが「おはようございます。今日は4時に起きて来たんですけど
、4時といえば普通はそろそろ寝ようかなって時間ですよ」等と言っていたのが好
感度↑。なんというか、あんまりあおったりするMCって苦手なもので、ゆるい
くらいだと好感がもてるのです。前にいた女の子たちが『銀河』の時に、自分た
ちで考えた振付なのかな?それを楽しそうに踊っていたのがかわいかったな。
『虹』は生で聴くと疾走感が増して気持ちいい!


次の真心ブラザーズを観るためにLAKE STAGEからGRASS STAGEまで徒歩で移動。
民族大移動な感じで人が流れていきますが、ここでも混乱はなし。ステージに
着くと、こちらでの一番手オレンジレンジがまだ演奏中で、BGMにしながら茶屋
ビレッジに向かう。ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006では屋台がたくさん出ている
のですが、茶屋ビレッジはその中でもスイーツの屋台を集めたわたし好みの一画。
ここでわたしの目を引いたのが『ビアード・パパ』のマンゴーアイスシャワー。
かき氷にマンゴーシロップをかけ、マンゴーの果肉をのせているものなんだけど、
コレがめちゃくちゃおいしい!シュークリームで有名な『ビアード・パパ』、底力
を見せつけられた感じです。そうこうするうちにオレンジレンジが終わったようで
茶屋ビレッジも若いお嬢さん方でにぎわってきたため、GRASS STAGEに移動。

10周年ということでおめでとうございます。12:20開始ということで、今回一番きつ
いと予想されていたのが真心でした。GRASS STAGEは一面芝生なため逃げるところが
なく、暑さは帽子とタオルでしのぐしかありません。動いたら死ぬかも・・・・。そんな
思いを胸に、スタンディングエリア後方で座りながら開始を待つ。それにしてもこの
人たち、なんて楽しそうに演奏するんだろう。YO-KINGが「気持ちいいぜ〜!!」って
叫んでたけど、ほんとに気持ちよかったんだと思う。真心だけにホーンなんかも入る
大音量の演奏で、コレが室内だったら確実に耳鳴りがして大変だったと思うんだけど、
きっと野外の真骨頂。音がすこーんと空に突き抜けていくんですよね。客層的には、
同い年かもっと上くらいの人が多かったと思うのだけど、皆さんよく踊るし跳ねるし。
元気だなぁ。わたしは途中からさすがに立ちはしたものの、踊り狂う元気はありませ
んでした。


次のBOOM BOOM SATELLITESまで時間があったため、木陰でかき氷(イチゴ)を食べな
がら一休み。公園だけあって結構木陰があるのはありがたい。ベンチなんかもあった
し。長期戦に備えてテントを張る人たちもいるけど、アレは、全然音楽に興味のない
人を1人誘ったりするのかな?全員で出払うわけにはいかないもんねぇ。ちなみにわ
たしは、レジャーシート(前日にダイソーで買った)は持っていったものの、結局使
いませんでした。寝るのなら別だけど、シートひけて日陰の場所は早々にとられてい
るし、その辺に座っちゃうのが手軽でよかった。
LAKE STAGEに移動後、食べる気しないなーと思いながらもなんとかケバブサンドを食
して、再び日陰席をゲット。

始まる前、機材を銀のシートで覆って、作業用のでっかい扇風機でスタッフの方が風
を送っていたので何があるんだろうと思ったらノートパソコンが。人よりもデリケー
トだもんねぇ。そりゃこの気温じゃおしゃかになりますわ。そう、このフェスでは、
人々を物理的にクールダウンさせるため、散水が行われます。フロントエリアにいる
と、シャワーで水かけられちゃうの。その他にスプリンクラーが回ってたり、結構水
浴びしてる人たちがいました。気持ちよさそうだったけど、わたしはメガネが濡れる
のを嫌ってやめときました。
さて、フロントエリアには若いお嬢さんやお兄ちゃんたちが。BOOM BOOMの音はすごく
尖っていて、重たい、計算され尽くされてるんだろうなーと感じるサウンドで。MC
とかはないのに、あおってるのが分かる。やるほうも聴く方もちょっと狂気をはらん
だ感じで見てると若干怖かったけど、怪我人が出なくて本当によかった。

移動中に始まってしまっていたため、茶屋ビレッジでマンゴーハロハロを食してから
聴きに行く。ここから終演まで3時間強はGRASS STAGEで過ごす。
広いステージにアコギを抱えた奥田民生。1人で淡々と、飄々と歌っている姿は本当
にかっこいい。ギターと生身の自分と、それだけで世界に太刀打ちできるっていうの
が、すごいし、うらやましいと思う。わたしも、自分の身一つであらゆるものに太刀
打ちできるようになりたいなぁ。ユニコーン時代の曲からPUFEYの曲、そして奥田民
生の曲とすごく自由に、まったりと、気持ちいいステージでした。

17:40スタート。日が暮れゆく中での演奏となる。スピッツは大好きなバンドで、で
も、リズム隊を意識して聴いたことがなかったんです。透き通るヴォーカルの奥で
なんともロックなギターが響いてるのは知ってたんですが、スピッツのリズム隊に
はまいりました。馬鹿上手かったんですねぇ。ベースの手数の多さはちょっと感動
的でした。しかもこの人たち、音楽始めて20年ですって。メンバー全員40歳になる
んですね。そのわりにあのベースの人はずいぶん跳んでたなぁ。若い。「楽しんで
ますか?楽しんでいって下さいね」そう言ったマサムネさんの、MC苦手って雰囲
気が(40になる人をつかまえてアレですが)かわいかった。水分補給の話になった
時にROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006はPOCARI SWEATが協賛しているのですが、
「僕たちはわけあってアクエリアスとしか言えませんが」と言っていたのが個人的
にツボ。意外とMC得意なのかな?40分くらい演奏してくれたのだけど、本当に
あっという間で、「次はCoccoです」そう言ってマサムネさんは、スピッツは、
ステージを後にしました。


暑いのが大の苦手なわたしが無謀にも過酷な野外フェス行きを決意したのは、今回
の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006』にCoccoが出演するためでした。ツアーのチケ
ットが取れなかった今となっては、生でCoccoが観られる数少ないチャンスでした。
暑いの嫌い、人ごみ嫌い、そんな人間が野外フェスなんて、鬼門もいいとこです。
でも、Coccoの歌を聴いてみたくて、彼女をこの目で見たいと思って、ひたちなか
まで行ったのです。

夕日も随分沈み、赤さを増してゆく19:00、個人的に一番聴きたかったCoccoのステ
ージが始まった。ワンピースに身を包んだ彼女はもう華奢という言葉では足りない
くらい細くて薄くて、同じ臓器がつまっているとはにわかには信じられないくらい。
それなのに、あのパワーは何なんだろう。
場を支配するとはこういうことだと、身をもって感じた。
あの場所に何人の人がいたか分からないけど、時間も人も、全部彼女のものだった。
『強く儚い者たち』で始まったステージ。圧倒的な演奏に全然負けてないCocco
彼女の後ろで演奏している人たちは本当に上手な人たちばかりで、最高の演奏で、
彼女の歌が一番素敵に聴こえる音を作ってくれているように思う。一緒に歌いなが
ら涙が出た。コレを書きながら、実はまた泣いている。なんで泣けてくるのか、自
分でもよく分からないんだけど。
彼女は今アルバム『ザンサイアン』を引っさげてのツアー中で、そのツアーのため
に「特別に夏になると思う」と言った。「1分でも1曲でもたくさん歌えるように無
駄にしたくない」細かいところは違うかもしれないけど、そんなことを言った。そ
して、「お前なんかもがんばれよ」と。たどたどしいけど、素敵ながんばれ。あんな
がんばれは、中々聞けない。それだけでも、あの場所にいてよかったと思った。
アルバムから何曲か、それから、『raining』『樹海の糸』『カウントダウン』。
活動中止直前に出した『焼け野が原』、そして、『ザンサイアン』に収められた
『Happy Ending』。
雲は まるで 燃えるようなムラサキ 嵐が来るよ そして行ってしまう いつも
ねぇ 空は遠すぎる
『焼け野が原』でそう歌い、
ムラサキの雲の その先を見ようと 君は先に走り出して 消えた
『Happy Ending』でこう歌う。
そこに何らかのつながりがあるかどうか、本当のところは分からないけれど。
フィナーレはシングル『音速パンチ』に収められた『流星群』。
たかが 愛の歌よ 響け
大好きな歌です。のびやかで、とっても気持ちいい歌声でした。以前はステージ
から逃げるようにいなくなると何かで読んだことがあったけど、今回はバンドの
メンバーと手を取り合って笑顔でお辞儀をしてから、ゆっくりと帰っていきまし
た。


花火が上がって、興奮冷めやらぬまま、フェスは終了。退場規制がかかったことも
あり、混乱もなく会場を後にすることが出来ました。
体調管理に気を付けて、フェスを楽しむ。
スタッフは事故がないように頑張る。でも、参加者の体調管理に関しては自分でし
っかりしてもらうしかない。自由にふるまうということは、好き勝手にしていいと
いうことではけしてなく、責任がともなうという当たり前のことを、再確認させて
くれた1日でした。
終わってから、原因は定かではないけれど強烈な頭痛と吐き気に襲われてちょっと
怖いんですけど、でも、本当に楽しかった。しつこいくらい日焼け止めを塗って、
頭に帽子、首にはタオル、長袖にジーンズ。おかげで日焼けはほとんどせずに済み
ました。来年も行くかと聞かれればにわかには答えられませんけど、フェスにはま
る人たちがいる理由はよく分かりました。過酷だけど、覚悟を決めて行くだけの
価値はあると、わたしは感じました。誰にとってもそうとは限らないので、やっぱ
り無理はしない方がいいとも思いますが。
あの場をつくってくれたすべての人たちに感謝します。
ありがとうございました。